FANG+にマイクロン(MU)が新規採用!除外はクラウドストライク(CRWD)|スコアランキングから理由を徹底分析

2026年3月、NYSE FANG+指数の定期リバランスで、マイクロン・テクノロジーが新規採用。
一方でクラウドストライクが除外されることが発表されました。

「なぜクラウドストライクが外れて、マイクロンが入るのか?」

と疑問に感じる人も多いと思います。

しかし、ICEが公表しているスコアリングデータを見ると、
この入れ替えはかなり“合理的”なものです。

この記事では、公式ランキングをもとに、マイクロン採用の理由を分析していきます。

目次

FANG+のコア銘柄以外の4枠を争う選考基準とは?

FANG+指数の「非FAANMG枠(コア銘柄以外の4枠)」を争う選考基準は、以下の4つの要素で決まります。1

  1. 時価総額(Market Cap):35%
  2. 日次平均取引量(ADTV):35%
  3. 株価売上高倍率(P/S):15%
  4. 売上高成長率(Sales Growth):15%

これらの合計スコアで「総合ランク」が決まり、非FAANMG枠の4銘柄は、ランキング上位から選定されます。
なお、すでに指数に組み入れられている銘柄には「バッファルール」が適用され、総合ランキング10位以内であれば維持されます。

【非FAANMG枠の入れ替えが起こる条件】

非コア銘柄4社のうち、総合ランキングが11位以下に転落した企業があった場合、非構成銘柄の中で最も順位の高い企業と入れ替えが行われます。

ドンヨーク

詳しくは、こちらの記事で解説しておりますので、よかったらのぞいてみてください!

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今回のランキング結果(2026年3月期)を見てみましょう

ICEのレポート2に掲載された、2026年3月時点のスコアリング結果を整理しました。
参考に、前回(2025年12月)の結果も載せています。

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各指標の数値は順位(小さいほど上位)
ウェイト:時価総額 35% / ADTV 35% / P/S 15% / 売上成長 15%

総合 ティッカー 銘柄名 時価総額 ADTV P/S 売上成長 ステータス
── 2026年3月 定期入れ替え ──
1NVDAエヌビディア11125維持(Top10)
2PLTRパランティア6548維持(Top10)
3AVGOブロードコム241132維持(Top10)
4MUマイクロン462811→ 追加
5AMDアドバンスト・マイクロ・デバイセズ733716非選出
6APPアップロビン169738非選出
7ANETアリスタ・ネットワークス13261524非選出
8TSLAテスラ3218119非選出
9LITEルーメンタム3521910非選出
10ADIアナログ・デバイセズ12302131非選出
11MRVLマーベル・テクノロジー25184212非選出
12CRWDクラウドストライク21221441→ 除外
13ORCLオラクル575871非選出
14SNPSシノプシス23253318非選出
15TXNテキサス・インスツルメンツ10192967非選出
── 2025年12月 定期入れ替え(参考) ──
1NVDAエヌビディア12136維持(Top10)
2PLTRパランティア53512追加
3AVGOブロードコム251032維持(Top10)
4APPアップロビン109728非選出
5AMDアドバンスト・マイクロ・デバイセズ644121非選出
6MUマイクロン886610非選出
7CRWDクラウドストライク21181138維持(Top10)
8ANETアリスタ・ネットワークス16251733非選出
9MRVLマーベル・テクノロジー25154214非選出
10TSLAテスラ3125116非選出
11ORCLオラクル464685非選出
12NOWサービスナウ15203344除外
13SNOWスノーフレーク23271629非選出
14RDDTレディット4224145非選出
15RBLXロブロックス28292619非選出

出典:ICE Index Platform「NYSE FANG+ Index - March 2026 Quarterly Reconstitution Security Rankings」(2026年3月17日)

これより、今回の入れ替えは次のような順序で行われたと考えられます。

  1. 総合ランキングが12位(=11以下)に下落したクラウドストライクが除外
  2. 非構成銘柄の中で最も順位の高かったマイクロン(4位)が新たに採用

つまり、クラウドストライクが順位を落としていなければ、マイクロンが採用されることはなかったということです。

ドンヨーク

よく見ると、前回(2025年12月)のランキングの時点で、すでにマイクロンの方がクラウドストライクより上位だったんですね。

クラウドストライクの順位が下がった要因は?

クラウドストライクは、前回(2025年12月)の総合7位から、今回は12位へと5ランク下落しました。

指標順位の変化(前回→今回)
時価総額21位 → 21位(変化なし)
日次平均取引量(ADTV)18位 → 22位(4↓
株価売上高倍率(P/S)11位 → 14位(3
売上高成長率38位 → 41位(3
クラウドストライクの各指標まとめ

スコアリングの内訳を見ると、総合順位低下の最大の要因は時価総額日次平均取引量(流動性)という、ウエイトの70%を占める重要指標で上位に食い込めなかったことにあると考えられます。

また、時価総額ランクこそ21位と横ばいでしたが、その他の指標はすべて前回から悪化しています。

各指標が下がった背景を考察してみます。

① 2024年7月「世界規模のシステム障害」という大きなマイナス材料

クラウドストライクを語る上で外せないのが、2024年7月19日に発生した世界的な大規模システム障害3です。

ソフトウェアのアップデート不具合(Falconセンサー)により、世界中で850万台ものWindows端末がブルースクリーン(BSOD)となり、航空、銀行、医療などの基幹インフラが麻痺しました。
サイバーセキュリティ企業が「世界を止めてしまった」という事態は、同社の信頼性を根底から揺るがしました。

この障害が、2026年現在のスコアリングにも以下の形で悪影響を及ぼしていると考えられます。

賠償コストと信用の低下

障害発生後、デルタ航空4をはじめとする巨大顧客からの損害賠償請求が続きました。
これにより利益率が圧迫され、成長のための投資(マーケティングや研究開発)にブレーキがかかったことは否めません。

売上成長率の鈍化

セキュリティは「信頼」が商品です。
この一件以降、顧客心理の変化によって新規契約獲得の長期化が生じ、かつて30〜40%台を誇っていた売上高成長率が20%前後まで鈍化しています。

② 株価の「大幅調整」による時価総額の低下

2025年後半には期待感から一時560ドル台の最高値圏まで買い戻される場面もありましたが、結局かつての圧倒的な成長期待を取り戻すには至りませんでした。

2026年初頭にかけて株価は350ドル台まで、約35%以上もの大幅な調整を経験しています。

FANG+のスコアリングにおいて35%のウェイトを占める「時価総額」ランクが21位から動かなかったのは、この信頼回復の遅れが株価の重石となり、市場全体のランクにおいて相対的な位置を下げてしまったことが直接的な要因と考えられます。

③流動性(ADTV)の低下:市場の関心は「AIハードウェア」へ

2024年の障害直後は「空売り」や「リバウンド狙い」の取引で賑わいましたが、2026年現在、市場の関心は完全に「AIインフラ(マイクロン等)」や「実用AI(パランティア等)」へとシフトしています。

「かつての成長株の主役」だったクラウドストライクから投資家の資金が抜け、流動性が低下したことで、FANG+という精鋭リストに留まるための勢いを失ってしまったと言えるでしょう。


以上を整理すると、クラウドストライクの順位低下は

  • システム障害による信頼の毀損 → 売上成長率の鈍化
  • 株価調整による時価総額の伸び悩み
  • 市場資金のシフトによる流動性低下

といった複合的な要因によるものと考えられます。

しかしながら、同社の2026年度第4四半期決算5ではEPSが予想を上回り、ARR(年間経常収益)も50億ドル超という過去最高を記録していることから、業績そのものは着実に回復しています

今回のFANG+除外はあくまでスコアリングの結果であり、クラウドストライクの先行きを否定するものではない点は、注意が必要です。

マイクロンの順位が上がった要因は?

マイクロンは、前回(2025年12月)の総合6位から、今回は4位へと2ランク上昇し、「非構成銘柄の中で最高位」という評価でFANG+の椅子を勝ち取りました。

指標順位の変化(前回→今回)
時価総額8位 → 4位(4↑
日次平均取引量(ADTV)8位 → 6位(2↑
株価売上高倍率(P/S)66位 → 28位(38↑
売上高成長率10位 → 11位(1↓
マイクロンの各指標まとめ

なぜマイクロンがこれほどまでに評価を上げたのか?
その要因を3つの視点で分析します。

① AIインフラ需要という「時代の波」に乗ったHBMビジネス

マイクロンの躍進を語る上で欠かせないのが、AI向けメモリ「HBM(高帯域幅メモリ)」の爆発的な需要拡大です。

マイクロンのHBM3Eは、エヌビディアのH200 Tensor Core GPUに搭載され、2024年第2四半期から量産出荷を開始しました6
さらにBlackwellシリーズのB200・GB200プラットフォームにもHBM3Eが採用7され、「AIチップの心臓部に欠かせないメモリサプライヤー」としての地位を確立しています。

この実需が、ウエイトの70%を占める時価総額とADTV(流動性)のランクアップに直結したと考えられます。

②驚異的な決算が「採用の正当性」を証明

HBM需要の拡大は、そのまま業績にも反映されています。

2026年度第1四半期(2025年9〜11月期)決算8では、売上高が前年同期比56%増の136億ドル、EPSが175%増の4.60ドルという驚異的な伸びを記録しました。

さらに象徴的なのが、今回のFANG+入りのニュースとほぼ同時(2026年3月19日)に発表された最新決算です。

マイクロン 2026年度第2四半期(2025年12月〜2026年2月期)決算9

  • 売上高: 前年同期比で約3倍(238.6億ドル)
  • 純利益: 8.7倍という異次元の数字

市場予想を大きく上回るこの結果は、FANG+がマイクロンを選んだことが「正解」であったことを、これ以上ない形で証明しました。

③P/Sランクの大幅改善:「質の高い成長」の証

今回のデータで最も注目すべきは、P/Sランクが66位から28位へと大幅アップした点です。

そもそもP/S(株価売上高倍率)とは「株価 ÷ 1株あたり売上高」で計算される指標で、数値が低いほど「売上高に対して株価が割安」であることを意味します。
FANG+のスコアリングではP/Sが低い銘柄ほど高く評価されます。

通常、株価が上がるとP/Sも上昇(=割高化)してランクは下がります。
しかしマイクロンは、株価が上昇したにもかかわらずP/Sランクが大幅にアップしています。

この理由は「売上高の伸びが、株価の上昇を上回ったから」です。

つまり、マイクロンのP/Sランクの大幅改善は、期待だけの「バブル」ではなく、業績が伴った「質の高い成長」の証といえます。


以上を整理すると、マイクロンの順位上昇は、以下の完璧なサイクルが生み出した結果です。

AIインフラ需要の爆発的な拡大

HBM事業の急成長

業績・株価の上昇

時価総額・流動性(高ウェイト指標)の劇的改善

クラウドストライクの除外が「障害という一点からの負の連鎖」であったのとは対照的に、マイクロンの採用は「AI時代という追い風による正の連鎖」の結果です。

まとめ:マイクロンの採用が意味すること

マイクロンが加わったことで、FANG+指数はさらに「AI・半導体セクターへの集中」を強めることになりました。

これまではエヌビディアやブロードコムが主役でしたが、そこにメモリの巨頭マイクロンが加わったことは、AI相場の裾野が広がっている証拠でもあります。

ドンヨーク

割安感があり、流動性が高く、かつAIのど真ん中にいる」

マイクロンは、今のFANG+に最もふさわしい1枚と言えるのではないでしょうか。

  1. 出典:ICEメソドロジーhttps://www.ice.com/publicdocs/data/NYSE_FANGplus_Index_Methodology.pdf ↩︎
  2. 出典:ICE Index Platform「NYSE® FANG+® Index - March 2026 Quarterly Reconstitution Security Rankings」(2026年3月17日発行) ↩︎
  3. 出典:ウィキペディア「クラウドストライク事件」 ↩︎
  4. 出典:Reuters「デルタ航空、世界的システム障害で補償請求へ=CNBC」(2024年7月30日) ↩︎
  5. 出典:Investing.com「CrowdStrike Holdings、2026年度第4四半期の予想を上回る業績」(2026年3月4日) ↩︎
  6. 出典:EE Times Japan「NVIDIAの「H200」GPUに載る Micronが24GB HBM3Eの量産を開始」(2024年03月01日) ↩︎
  7. 出典:Micron Press Release「マイクロン、データセンターからエッジまで、NVIDIA との連携で技術革新を推進」(2025年3月25日) ↩︎
  8. 出典:Micron Technology, Inc. Reports Results for the First Quarter of Fiscal 2026(December 17, 2025) ↩︎
  9. 出典:Micron Technology, Inc. Reports Results for the Second Quarter of Fiscal 2026(March 18, 2026) ↩︎
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