【QQQ】ドローダウン分析|NASDAQ100の最大下落率と回復期間を検証

【QQQ】ドローダウン分析|NASDAQ100の最大下落率と回復期間を検証

QQQは、NASDAQ100に連動しており、米国ハイテク株に集中投資できるETFの一つです。

S&P500よりも高いリターンを狙える一方で、「指数ETFだから比較的安全そう」と感じる方も多いのではないでしょうか。

確かに、QQQは個別株と比べれば分散は効いています。

しかし、QQQは過去に何度も大暴落を経験しており、S&P500より値動きの大きい“高リスク寄り”の指数です。

本記事では、QQQの最大下落率(ドローダウン)を「深さ」「長さ」「頻度」の3つの観点から徹底的に分析します。

※集計期間:1999年3月10日(QQQ設定日)~2026年5月18日(記事執筆時点)

ドンヨーク

本記事を読むことで、以下のことがわかります。

  • QQQは過去にどれほど暴落したのか(深さ
  • 下落や回復にどれくらいの時間がかかるのか(長さ
  • 1年に何回ほど大きな下落があるのか(頻度
  • 投資において、NASDAQ100の下落とどう向き合うべきか
目次

データソースとドローダウン解析方法

今回の分析では、GoogleスプレッドシートのGoogleFinance関数を使用し、QQQの日次終値データを取得しています。

スプレッドシート上では、以下のように記述することで、日次の終値データを取得できます。

=GOOGLEFINANCE("QQQ","close",DATE(1999,3,10),TODAY())

ドローダウンとは、「直近の高値からどれだけ下落したか」を示す指標であり、日本語では「最大下落率」と表現されることもあります。

ドローダウンは、以下の式で算出します。

ドローダウン(%) =(底値 - 直前の最高値) ÷ 直前の最高値 × 100

なお今回は、最大下落率が-5%以上のドローダウンを対象にデータを抽出します。


また、ドローダウンの“長さ”を把握するため、以下のように期間を定義しています。

  • 開始日:過去最高値を付けた日(下落の開始)
  • 終了日:底値を付けた日(下落の終了)
  • 下落期間:過去最高値から底値に到達するまでの期間
  • 回復期間:底値から再び最高値を更新するまでの期間
  • トータル期間:下落期間+回復期間
ドンヨーク

私が特に意識しているのは回復期間です。

というのも、投資家が最も苦しむのは「下げ」そのものではなく、「戻らない期間」だからです。

QQQのドローダウン一覧

まず、集計期間におけるドローダウンの推移をグラフで示します。

QQQドローダウンチャート
QQQドローダウンチャート
ドンヨーク

グラフより、2000年からの暴落のひどさが際立っています。

次に、最大下落率が-5%以上となった局面を一覧で示します。

-20%を超える大幅下落については視認しやすいように色付けしています。

スクロールできます
開始日終了日高値底値ドローダウン下落期間(日)回復期間(日)トータル期間(日)
1999/03/101999/03/1552.5749.03-6.7%5611
1999/04/091999/04/1955.8149.18-11.9%10717
1999/04/261999/05/2556.5149.84-11.8%292756
1999/07/161999/08/1061.3854.13-11.8%251540
1999/09/211999/09/3063.4659.75-5.8%9918
1999/10/121999/10/2064.6958.97-8.8%81018
2000/01/032000/01/0694.8181.66-13.9%31316
2000/01/242000/01/3196.2585.94-10.7%7613
2000/03/102000/03/16114.75102.75-10.5%6814
2000/03/242002/10/09118.0020.06-83.0%92950966025
2017/07/272017/08/21143.57136.19-5.1%251641
2018/03/122018/03/25170.93153.45-10.2%132942
2018/04/242018/05/15174.08155.51-10.7%216384
2018/08/292018/12/24186.74143.50 -23.2%116114231
2019/04/292019/05/31191.11170.12-11.0%312960
2019/07/262019/08/05195.29180.73-7.5%108191
2020/02/192020/03/16236.98169.30-28.6%2681107
2020/09/022020/09/23302.76264.16-12.7%216990
2021/04/292021/05/13336.45299.94-10.9%243256
2021/06/072021/07/03342.01316.89-7.3%263359
2021/10/182021/11/14382.11352.62-7.7%272451
2021/11/192022/12/28403.99260.10-35.6%404352756
2024/06/122024/07/10446.38414.65-7.1%282654
2024/07/102024/08/07502.96434.77-13.6%2891119
2025/01/242025/02/22538.17505.08-6.1%293564
2025/02/192025/04/08539.52416.06-22.9%4877125
2025/10/292026/03/30635.77558.28-12.2%15216168
QQQ上場来のドローダウン一覧(最大下落率-5%以上のみ)
ドンヨーク

今回の集計では、-5%以上のドローダウンは27回ありました。

この27個のドローダウンデータをもとに、次章からは

  • どの下落がどれほど深刻だったのか
  • どれくらいの期間耐える必要があるのか
  • どれほどの頻度で下落が起こるのか

といった点を、深掘りしていきます。

ドローダウンの「深さ」を分析|QQQの最大下落率は-83%

ドンヨーク

まずは、下落の深さを知るために、最大ドローダウンのワースト10を見ていきましょう。

順位日付(高値→底値)ドローダウン下落期間
(日)
回復期間
(日)
12000/03/24
~ 2002/10/09
-83.0%9295096
22021/11/19
~ 2022/12/28
-35.6%404352
32020/02/19
~ 2020/03/16
-28.6%2681
42018/08/29
~ 2018/12/24
-23.2%116114
52025/02/19
~ 2025/04/08
-22.9%4877
62000/01/03
~ 2000/01/06
-13.9%313
72024/07/10
~ 2024/08/07
-13.6%2891
82020/09/02
~ 2020/09/23
-12.7%2169
92025/10/29
~ 2026/03/30
-12.2%15216
101999/04/09
~ 1999/04/19
-11.9%107
QQQ最大下落率ワースト10
ドンヨーク

QQQ設定来の最大下落率は-83.0%でした。

これはITバブル崩壊(2000年〜2002年)による下落です。
100万円が17万円になる計算です。

そして見逃せないのがこの回復期間です。

ワースト1の回復期間:5,096日(約14年)

ドンヨーク

この数字は衝撃的です。

2000年3月に高値を更新し、次に最高値を更新したのは2016年のことでした。

NASDAQ100への長期投資を考えるなら、この事実は頭の片隅に入れておく必要があります。


一方、ワースト2以降を見ると、様相はかなり変わります。

ワーストドローダウン回復期間
2位-35.6%
(2022年利上げ局面)
352日(約1年)
3位-28.6%
(2020年コロナショック)
81日(約3ヶ月)
4位-23.2%
(2018年ハイテク調整)
114日(約4ヶ月)
5位-22.9%
(2025年関税ショック)
77日(約2.5ヶ月)

2位〜5位は、いずれも1年以内に回復しています。

-20%〜-35%の下落でも、「相場の前提そのものが壊れていなければ、1年程度で戻る」というのがQQQの傾向です。

ドンヨーク

この結果を見て、あなたはどう感じましたか?

個人的には、ワースト1を除けば、どれも"耐えられる範囲"だと感じており、むしろ指数の底力に安心感すら覚えました。


さて、ここまでの結果から見えてくるのは、QQQの”暴落”には2種類あるということです。

タイプA(指数の崩壊)

ITバブルのように、ハイテク全体のバリュエーションが根本から否定される局面
→回復に10年以上かかる

タイプB(外部ショック・一時的調整)

コロナ、金利上昇、関税など、外部要因で一時的に売られる局面
→1年以内に回復するケースが多い

暴落が来たとき、「これはどちらのタイプか」を冷静に判断できるかどうかが、指数に長期投資している投資家の最大の勝負どころとなるでしょう。

ドローダウンの「長さ」を分析|下落期間・回復期間を調査

ドンヨーク

次は、ドローダウンの"長さ"に注目して分析していきます。

①ドローダウン期間のレンジ別集計

以下は、27件のドローダウンについて、下落期間・回復期間・トータル期間をレンジ別に集計したものです。

条件下落期間回復期間トータル期間
1年以上212
6ヶ月~1年011
3ヶ月~6ヶ月225
1ヶ月~3ヶ月2812
1ヶ月未満21157
QQQドローダウン期間のレンジ別集計
ドンヨーク

注目すべきは、下落期間と回復期間の非対称性です。

下落期間は21回(78%)が1ヶ月未満に対し、回復期間は1ヶ月未満が15回(56%)にとどまります。

つまり、「急落は速いが、回復はじっくり時間がかかる」ということです。


一方、トータル期間を見ると、下落開始から回復完了まで半年以上かかったのは過去3回(11.1%)だけです。

裏を返せば、27回中24回(88.9%)はドローダウンが半年以内に完結していたことになります。

②「下落率」と「期間」の相関関係

次に、ドローダウンの”深さ”と”長さ”の関係を、散布図を使って直感的に見ていきます。

以下の散布図は、下落率と、下落日数・回復日数の関係をプロットしたものです。

下落率 × 下落日数

まずは、下落日数を見ていきます。

下落率と下落日数の散布図

値が突出している[-83%・929日]のデータを除外し、-40%以下のエリアを拡大したものが以下です。

下落率と下落日数の散布図(-83%のデータを除外)

R²(決定係数)は「どれくらいデータがトレンドラインに沿っているか」を示す指標です。
たとえばR²=0.68は、データ変動の約68%をモデルが説明できている(一定の関係性が確認できる)ことを意味します。

なお、本分析のトレンドラインには指数関数を採用しています。
(下落率が大きくなるほど、日数が加速度的に伸びる傾向があるため)

データを見ると、下落率が深くなるほど下落日数も増加する傾向が確認できます。

一方で、コロナショック(-28.6%・26日)や関税ショック(-22.9%・48日)は、下落率の深さに対して下落日数が短い点が目を引きます。

これは、下落の原因の「性質」によるものだと考えられます。
コロナも関税ショックも、外部の突発的な事象をきっかけとした急落であったため、下落そのものは速く完了しました。

暴落を分析する際は、下落率だけでなく、何が原因でその下落が起きているのかを見極めることが重要です。

下落率 × 回復日数

続いて、回復日数を見ていきます。

下落率と回復日数の散布図

同様に、[-83%・5096日]の点を除いて拡大したものが以下です。

下落率と回復日数の散布図(-83%のデータを除外)

こちらも同様に、下落率が大きいほど回復期間が長くなる傾向が確認できます。

加えて、下落日数に比べて回復日数のばらつきが大きいことがわかります。

「いつまで下落するか」よりも「いつ頃回復するか」の方が、はるかに読みにくいということです。

だからこそ、回復の見通しを立てるうえでも、「何が原因で下がったのか」を分析する姿勢が大切になってきます。

ドローダウンの「頻度」を分析|年別の下落回数は?

ドンヨーク

次はドローダウンの"頻度"に注目し、年別のドローダウン発生回数を見ていきます。

以下の表は、年ごとのドローダウン回数をレンジ別に集計したものです。

その年の「最高値更新回数」と「年間リターン」も並べています。

スクロールできます
-5%

-10%
-10%

-20%
-20%

-30%
-30%

-40%
-40%
最高値
更新回数
年間
リターン
19993300051+78.7%
20000300017-36.1%
2001000000-33.3%
2002000010-37.4%
2003000000+49.6%
2004000000+9.5%
2005000000+1.3%
2006000000+6.8%
2007000000+18.7%
2008000000-41.9%
2009000000+53.8%
2010000000+19.0%
2011000000+2.5%
2012000000+16.7%
2013000000+35.0%
2014000000+17.4%
2015000000+8.3%
2016000007+5.9%
20171000077+31.5%
20180210027-1.0%
20191100039+37.8%
20200110057+47.6%
20212100049+26.8%
2022000100-33.1%
2023000005+53.8%
20241100045+24.8%
20251010037+20.2%
20260100014+15.4%
(YTD)
年ごとのドローダウン回数
2026年はYTD5月18日時点)

① 2003年〜2016年のドローダウン回数”ゼロ”が示すもの

表を見て最初に気づくのは、2003年〜2016年で、ドローダウン回数がゼロになっている点です。

これを見て「13年間は暴落がなかった安定期」と捉えると、完全な誤読になります。

実態はまったく逆です。

ドローダウンは「最高値→底値→最高値更新」の1セットで1回とカウントされます。
つまり、最高値を更新できない限り、その期間の下落はドローダウンとして記録されないのです。

つまり、2003年〜2016年の13年間は、まるごと「ITバブル崩壊(2000年~2002年)の暴落の回復途上」だったということです。

ドンヨーク

2008年のリーマンショックの暴落はどこに消えたのか、気になりませんでしたか?

QQQは2008年に約-42%下落しました。
しかしデータ上ではドローダウン回数がゼロです。

この下落はITバブル崩壊による暴落の内側で起きたため、独立したドローダウンとしてカウントされなかったからです。

ドローダウン回数"ゼロ"は、平穏の証明ではなく、巨大な暴落に飲み込まれているサインかもしれない——ドローダウン回数という数字の裏側には、こういった構造が隠れていることを理解しておく必要があります。

② 上昇相場でも調整は必ず来る

2017年以降、最高値を更新し続けた強い上昇相場においても、途中で-10%〜-15%程度の下落は年に数回発生しています。

これらの年に共通しているのは、下落を挟みながらも最高値を何度も更新し続けたという点です。

つまり、強い上昇相場の中での-10%〜-15%の下落は「上昇の終わり」ではなく、「上昇途中の一時的な調整」に過ぎませんでした。

ドンヨーク

問題は、その「調整」が渦中にいるとどう見えるか、です。

たとえば2024年7月〜8月の-13.6%の下落。

わずか28日で底を打ちましたが、その最中はニュースが悲観一色に染まり、SNSには損切り報告が溢れていました。

しかし結果として、それは最高値更新前の一時的な調整でした。

上昇相場における-10%〜-15%の下落は、データで見れば「よくあること」です。

しかしそれを体感として受け入れ、冷静でいられるかどうかは、まったく別の話です。

ドンヨーク

データを知っていることと、暴落に耐えることは別のスキル——それでも、知っていることは耐えるための武器になります。

まとめ|QQQ(NASDAQ100)のドローダウンとどう向き合うべきか

ここまで、QQQの最大下落率(ドローダウン)を「深さ・長さ・頻度」の3つの観点から分析してきました。

改めて主要なポイントを整理します。

観点わかったこと
深さ・最大-83%(ITバブル崩壊)
・-20%超の暴落は計5回
長さ・-5%以上のドローダウンのうち、56%は底から1ヶ月以内に回復
・-83%の大暴落では回復に約14年かかった
・ドローダウン全体の期間で見ると、約9割が半年以内に完結
・下落日数に比べて回復日数はばらつきが多い
頻度上昇相場でも-10%〜-15%の調整は年に数回発生
ドンヨーク

最後に、今回の結果を踏まえて、私がNASDAQ100とどう向き合っていくかを述べます。

結論から言えば、NASDAQ100は長期保有を継続する価値の高い指数だと考え、今後も保有し続けます。

また、-20~-30%程度の下落は、年に1回あるかないかの買い増しチャンス」と捉えます。

データを見る限り、この水準の下落は相場の通常運転の範囲内です。

コロナショック(-28.6%)も2025年の関税ショック(-22.9%)も、いずれも1年以内に回復しました。
今振り返れば、いずれも貴重な買い増しのタイミングでした。

ドンヨーク

ただし、私が唯一警戒するのは「指数の前提そのものが崩れる局面」です。

具体的には、ハイテクセクター全体のバリュエーションが根本から否定されるような構造変化です。

2000年のITバブル崩壊がまさにそれでした。

あの時、NASDAQ100を構成する企業の多くは「期待先行」で価格がついており、実態の伴わない高値にありました。

しかし、現在のQQQ上位銘柄(NVDA、AAPL、MSFTなど)は、実績ある収益とキャッシュフローに支えられています。

ドンヨーク

現在の相場はAIバブルと呼ばれることもありますが、ファンダメンタルズの裏付けという点では、2000年当時とは構造が異なります。

「同じことは起きない」と断言はできませんが、-83%・回復14年のような暴落が再現する確率はかなり低いと考えています。

もちろん、これはあくまで私の判断軸であり、万人に最適な答えではありません。

一つだけ付け加えるとすれば、積立投資家にとってドローダウンは敵ではないということです。

毎月一定額を買い続ける戦略では、下落局面で多くの口数を仕込めます。
ITバブル崩壊の「14年」も、毎月積み立てていた投資家にとっては、回復時の爆発的なリターンの土台になりました。

ドンヨーク

ドローダウンのデータを「恐怖の記録」ではなく「仕込みの歴史」として捉えると、投資に対する向き合い方も変わってくるでしょう。

ドンヨーク

個別株のドローダウン分析として、エヌビディア(NVDA)でも同様の分析を行っています。

指数とは比べものにならない激しい下落が実感できますので、ぜひあわせてご覧ください。

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※本記事の内容は過去データに基づく独自分析であり、将来のリターンを保証するものではありません。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。

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