私が高配当株投資をしない理由|配当金は「お得」ではなく「錯覚」だ

私が高配当株投資をしない理由

「配当金をもらえると嬉しい」

その気持ち、よくわかります。

口座に入金通知が来て、「不労所得だ!」と感じる瞬間は確かに気持ちいいものです。

ドンヨーク

しかし私自身は、高配当株投資を一切やっていません。

理由はシンプルです。

配当金は「得をしているように見えるだけ」で、実際には損も得もないから

それどころか、税制・成長性・機会コストの観点から見ると、積極的に選ぶ理由がほとんど見当たらないのです。

この記事では、私が高配当株投資をしない理由を、仕組みから順に解説します。

ドンヨーク

「配当金=お得」という考えを一度疑ってみてください。

目次

はじめに:そもそも「配当金」とは何か

ドンヨーク

まず基礎から確認しましょう。

配当金とは、企業が獲得した利益の一部を株主に分配するお金です。

企業は事業で稼いだ利益を、主に次の2つに使います。

  • 内部留保:事業拡大・設備投資・研究開発などに再投資する
  • 配当として株主に還元:利益を現金で分配する

ポイントは、配当に回した分だけ企業の純資産が減るという点です。

ここが、配当金をめぐる誤解の出発点になります。

【重要】配当を出すと株価は下がる

ドンヨーク

ここが最重要ポイントです。

配当金を出した翌営業日(権利落ち日)には、理論上、配当金と同額だけ株価が下落します。
これを「配当落ち」と呼びます。

たとえば1株1,000円の銘柄が、1株あたり10円の配当を出したとします。

この場合、この銘柄の株を1株持っている人の資産額は以下のようになります。

  • 配当前:株価1,000円・手元の配当0円 → 資産合計1,000円
  • 配当後:株価990円・手元の配当10円 → 資産合計1,000円

つまり、合計は変わらないのです。

配当前後の合計資産
配当前後の合計資産

※現実の市場では、「配当落ち後の買い需要」や「配当狙いの短期売買」など、市場全体の値動きが重なるため、配当落ちの幅が理論値と完全に一致しないこともあります。

上の図を見てもわかるように、企業から投資家の手元に現金が移動するだけで、資産全体の価値は変化していません。

配当金は企業価値の一部が現金として株主へ移転しているだけであり、理論上はその分だけ株価が調整されています。

ドンヨーク

あなたが嬉しそうに配当通知を受け取っている間、株の評価額はその分だけひっそりと下がっているのです。

配当はさらに税金で目減りする

「株価が下がっても、手元に配当金が入るんだからトントンじゃないの?」

ドンヨーク

そう思った方、ここが次の落とし穴です。

配当金には約20.315%の課税がかかります(所得税15.315%+住民税5%)
つまり、10円の配当を受け取っても、実際に手元に残るのは約7.97円です。

この課税は、受け取るたびに自動的に発生します。
また、再投資しようとしても、税引き後の金額でしか買い付けができません。

なお、NISA口座を使えば日本国内の配当課税は回避できます。

ただし、米国株の配当には米国側で10%の源泉徴収が別途かかります。
NISAでは外国税額控除が使えないため、この10%は取り戻せません。

「NISAだから完全非課税」とはならない点にも注意が必要です。

一方、株価上昇(キャピタルゲイン)は売却するまで課税されません。
途中で税金に削られることなく、複利の力をフルに活かせます。

長期投資であればあるほど、課税タイミングの差は最終資産額に大きな影響を与えます。

高配当株投資では、「配当利回り5%」といった数字に魅力を感じるかもしれません。

しかし税引き後は約4%となり、さらに配当落ちで株価が下がり、再投資効率も落ちる。
利回りの見栄えほど、実態はお得ではありません。

ドンヨーク

さらに言えば、私は配当よりも自社株買いの方が株主にとってメリットが大きいと感じています。

自社株買いは株主が売却しない限り課税されず、企業価値を株価上昇という形で反映できるためです。

高配当株は「成熟した企業」が多い

ここまでは「配当金の仕組み」の話をしました。

ドンヨーク

次は「どんな企業が高配当になるか」という話をします。

一般的に、高配当になりやすい企業は成熟した低成長企業です。

なぜかというと、成長企業は稼いだ利益を事業拡大・研究開発・新市場への投資に使います。

アマゾン・メタ・エヌビディアのような企業が長年無配当(または低配当)を貫いてきたのは、「株主への還元よりも成長への再投資の方がリターンが高い」という判断があるからです。

ドンヨーク

逆に言えば、高配当は「成長投資に回す先が乏しい成長余地が小さい)」企業のサインである可能性があります。

たとえば日本の高配当銘柄に多い業種を見ると、通信・金融・エネルギー・インフラ系が目立ちます。

これらは安定した事業基盤を持つ一方で、飛躍的な株価上昇はあまり期待できません。


高配当株と成長株の比較を簡単にまとめると以下のとおりです。

指標高配当株成長株(NASDAQ100銘柄など)
配当利回り3〜5%程度ほぼ0〜1%
株価上昇期待低〜中程度高い
長期的なリターン安定的だが低め高いが変動も大きい
高配当株と成長株の特徴比較

配当利回りが高くても、成長性が乏しく株価がほとんど上がらなければ、最終的なリターンは見劣りします。

高配当株は「業績悪化」で利回りが高く見えることも

配当利回りは、配当 ÷ 株価 で決まります。

よって、株価が下がるほど利回りは上昇します。

つまり、利回りが高い理由は「配当が多い」からでなく、「株価が下落しているだけ」というケースもあります。

このような場合、配当を受け取っても株価下落分を補えず、トータルでマイナスになることも珍しくありません。

ただし、高配当投資が向いている人もいる

ここまで高配当株のデメリットを中心に話してきました。

しかしながら、高配当投資が向いている人も存在します。

① 定期収入を重視する人

投資は心理との戦いでもあります。

どれだけ理論的に正しい投資をしていても、暴落局面で狼狽売りしてしまっては元も子もありません。

そんなとき、「配当が入り続けている」という感覚が精神的な支えになり、長期保有を続けられるという方もいます。

行動経済学的に見れば、合理的な選択と言えるでしょう。

② 成長より安定を重視する人

株価の上下に一喜一憂したくない人にも、高配当株は向いています。

高配当株は大幅な株価上昇こそ期待しにくいものの、成熟した事業基盤を持つ企業が多く、業績が比較的安定している傾向があります。

「資産を大きく増やすというより、できるだけ減らしたくない」という方には、一つの選択肢です。

まとめ:私は配当ではなく「成長性」で銘柄を選びます

本記事では、私が高配当株投資をしない理由を説明しました。

ポイントは次の3つです。

  • 配当金は株価の下落と相殺され、実質的な資産は増えない
  • 配当金は毎回課税され、複利効果が損なわれる
  • 高配当株は成熟企業が多く、成長株に比べてトータルリターンが低い傾向

配当に関して、私の投資方針は明確です。

配当利回りではなく、株価成長率で銘柄を選ぶ。

私のポートフォリオはFANG+やNASDAQ100銘柄が中心で、配当はほぼ0~1%です。

その代わり、企業は利益を成長へと徹底的に再投資し続けています。

「配当を出さない=株主軽視」ではありません。

むしろ「株主資本を最も効率的に活用します」という、経営陣からの意思表示と私は解釈しています。

長期投資で最も重要なのは、複利の最大化です。

途中で課税を受けながら再投資するよりも、売却するまで一切課税されない環境で資産を複利成長させる方が、長期的には圧倒的に有利です。

ドンヨーク

そのためには、短期的な”もらった感”より、長期で資産がしっかり積みあがることを重視すべきだと考えます。


高配当株投資を全否定するつもりはありません。

でも「配当をもらえると得した気分になる」という心理的バイアスに気づかないまま投資スタイルを選ぶのは、もったいないと思います。

ドンヨーク

数字の裏側にある「仕組み」を理解した上で、自分にとって最適な投資スタイルを選んでください。

当ブログは今後も成長株・成長指数を中心に発信していく予定です。
高配当株を扱うことはほとんどないので、今回の記事は“最初で最後”のつもりでまとめてみました。

※本記事は、株式投資の情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。
投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
人気ブログランキング
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次