S&P500 vs NASDAQ100 vs FANG+を徹底比較|リターン・リスク・シャープレシオで「最強指数」を決定

S&P500 vs NASDAQ100 vs FANG+を徹底比較|リターン・リスク・シャープレシオで「最強指数」を決める

米国株インデックス投資を検討する際、必ずと言っていいほど候補に上がるのが「S&P500」と「NASDAQ100」です。

そして近年、圧倒的なパフォーマンスで注目を集めているのが、厳選されたハイテク企業10社で構成される「NYSE FANG+指数」です。

一般的に、これらの関係性は以下のようなイメージを持たれることが多いでしょう。

  • リターン: S&P500 < NASDAQ100 < FANG+
  • リスク: S&P500 < NASDAQ100 < FANG+

「リターンが高いものは、リスクも高い」
これは投資の鉄則ですが、投資家が本当に知りたいのはその先です。

「リスクを考慮した上で、最も効率よくリターンを得られるのはどの指数なのか?」

本記事では、過去25年間の年足データをもとに、CAGR(年平均成長率)・リスク(標準偏差)・シャープレシオを複数期間で算出し、3指数を徹底比較していきます。

ドンヨーク

イメージを「数値」に落とし込み、真の最強指数をあぶり出していきましょう。

目次

データソースと比較期間

今回の比較では、「TradingView」のリターンデータを使用しています。1

また、比較期間は以下のとおりです。

  • 5年(2021-2025)
  • 8年(2018-2025)
  • 10年(2016-2025)
  • 15年(2011-2025)
  • 20年(2006-2025)
  • 25年(2001-2025)

ここで「8年」という中途半端な期間を設けているのには理由があります。
それは、FANG+指数のみ歴史が浅く(2017年9月設立)、データ取得できるのが2018年以降であるためです。
そのため、FANG+については、5年・8年のデータのみ算出します

指標の定義を確認

数字を見る前に、使用する指標の定義を簡単に確認しておきます。

CAGR(年率平均成長率)

複利ベースで計算した「年あたりの平均成長率」です。
実際に資産がどれだけ増えたかを正確に表す指標で、長期投資の評価に最もよく使われます。

リスク(標準偏差)

リターンのばらつき(変動の大きさ)を示す指標です。
この値が大きいほど、リターンの振れ幅が大きく、値動きが激しいことを意味します。

今回は、対象期間の月次リターンをもとに、スプレッドシートのSTDEV.S関数を用いて算出します。
なお、月次ベースで求めた標準偏差は、×$\sqrt{12}$することで年率換算します。

シャープレシオ

「リスク1単位あたり、どれだけリターンを稼げているか」を示す指標です。
シャープレシオが高いほど、リスクに対して効率的にリターンを得られていることになります。

計算式は以下のとおりです。

シャープレシオ =(算術平均リターン − 無リスク金利)÷ リスク(標準偏差)

※今回は無リスク金利を便宜上0%として算出しています(簡略化のため)。
※算術平均リターンは、「月次リターンの平均値×12」で年率換算します。

ドンヨーク

各指標の定義や計算方法の詳細については、以下の記事で詳しくまとめております。

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データ比較結果

ドンヨーク

では、本題のデータを見ていきましょう。

リターンの比較(CAGR)

まずは、以下の年間リターンデータをもとに年率平均成長率(CAGR)を計算します。

S&P500NASDAQ100FANG+
2025+16.39%+20.17%+20.51%
2024+23.31%+24.88%+50.52%
2023+24.23%+53.81%+95.96%
2022-19.44%-32.97%-40.07%
2021+26.89%+26.63%+17.59%
2020+16.26%+47.58%+102.9%
2019+28.88%+37.96%+39.65%
2018-6.24%-1.04%+0.08%
2017+19.42%+31.52%
2016+9.54%+5.89%
2015-0.73%+8.43%
2014+11.39%+17.94%
2013+29.60%+34.99%
2012+13.41%+16.82%
20110.00%+2.70%
2010+12.78%+19.22%
2009+23.45%+53.54%
2008-38.49%-41.89%
2007+3.53%+18.67%
2006+13.62%+6.79%
2005+3.00%+1.49%
2004+8.99%+10.44%
2003+26.38%+49.12%
2002-23.37%-37.58%
2001-13.05%-32.65%
各指数の年間リターン(2001年-2025年)

複利ベースで計算した、CAGRの比較結果は以下のとおりです。

期間S&P500NASDAQ100FANG+
2021-2025
(5年)
12.76%14.40%20.16%
2018-2025
(8年)
12.47%18.72%27.77%
2016-2025
(10年)
12.85%18.58%
2011-2025
(15年)
11.96%17.60%
2006-2025
(20年)
8.88%14.63%
2001-2025
(25年)
6.80%9.98%
CAGR(年率平均成長率)の比較
ドンヨーク

リターンについては、ほぼすべての期間で「FANG+ > NASDAQ100 > S&P500」という序列が成立しています。

特にFANG+の8年CAGR(27.77%)は、異次元の水準です。
また、NASDAQ100も長期でS&P500を明確に上回っており、優位性ははっきりしています。

ただし、単年や短期間で比較すると、この序列はしばしば入れ替わる点には注意が必要です。
実際、直近数年ではS&P500やNASDAQ100がFANG+を上回る局面も見られます。

あくまで今回の結果は、一定期間以上の長期投資を継続した場合に、FANG+の優位性が現れやすいというものです。

リスク(標準偏差)の比較

次に、リスク(標準偏差)を比較した結果がこちらです。

期間S&P500NASDAQ100FANG+
2021-2025
(5年)
15.09%19.26%25.33%
2018-2025
(8年)
16.47%19.78%26.63%
2016-2025
(10年)
13.29%18.39%
2011-2025
(15年)
12.33%16.88%
2006-2025
(20年)
9.69%18.22%
2001-2025
(25年)
7.75%21.52%
リスク(標準偏差)の比較
ドンヨーク

リスク(標準偏差)の大きさについても「FANG+ > NASDAQ100 > S&P500 」という序列が確認できました。

ここまでの結果から、「リターンが高いものほどリスクも大きい」という基本的な関係性は裏付けられています。

ただし、これだけでは「リスクを考慮したうえで、最も効率よくリターンを得られるのはどの指数か?」という問いには答えられません。

ドンヨーク

そこで、リスクに対するリターンの効率を示す「シャープレシオ」で確認することに意味があります。

シャープレシオの比較

シャープレシオを比較した結果がこちらです。

先述のとおり、シャープレシオが高いほど、リスクに対して効率的なリターンを得られていることになります。

期間S&P500NASDAQ100FANG+
2021-2025
(5年)
0.870.800.85
2018-2025
(8年)
0.800.971.06
2016-2025
(10年)
0.881.02
2011-2025
(15年)
0.881.05
2006-2025
(20年)
0.640.85
2001-2025
(25年)
0.510.55
シャープレシオの比較

S&P500 vs NASDAQ100

直近5年ではS&P500の方がやや高く、投資効率において優位な結果となりました。
一方で、それ以降の中長期ではNASDAQ100が上回る傾向が見られます。

FANG+について

FANG+のシャープレシオは、直近5年ではS&P500やNASDAQ100と大きな差は見られません。
一方、8年で見るとS&P500・NASDAQ100を上回っており、効率面でも優位性が確認できます。

なお、「シャープレシオの差がどれくらいなら有意か」を明確に示した公的ガイドラインは存在しませんが、実務や学術の場では一般的に以下のように捉えられることが多いです。

シャープレシオの差評価
0.1未満ほぼ誤差の範囲
0.1〜0.2程度やや優位(ただし期間や市場環境次第で逆転しうる)
0.2以上明確な優劣ありと判断されやすい
0.3以上かなり強い差(投資判断に影響するレベル)
シャープレシオの差における実務上の目安

以上を踏まえると、今回の比較結果におけるシャープレシオの差は、多くの期間で0.2未満に収まっており、統計的に明確な優劣があるとは言い難い水準です。

したがって、シャープレシオの観点から見る限り、3指数の投資効率に大きな差はないと考えられます。

ドンヨーク

効率面で大差がないのであれば、最終的なリターンが大きいFANG+を選ぶという投資判断は十分に合理的だと考えます。

結論|効率まで踏まえて導いた「最強指数」

今回、S&P500・NASDAQ100・FANG+の3指数を、リターン(CAGR)リスクシャープレシオという3つの指標で複数期間にわたって比較しました。

その結果を整理すると、以下の通りです。

リターン:FANG+ > NASDAQ100 > S&P500

リスク:FANG+ > NASDAQ100 > S&P500

シャープレシオ(効率)

  • 5年では3指数の優劣に大差なし
  • 長期ではNASDAQ100がS&P500よりやや優位
  • 8年ではFANG+がS&P500・NASDAQ100を上回っていた

リスクが大きいといわれるFANG+ですが、シャープレシオ(投資効率)はS&P500やNASDAQ100と比べて劣っておらず、むしろ期間によっては優位性も確認できました。

今回はFANG+のデータ期間が限られているため、超長期での比較はできていませんが、少なくとも現時点のデータからは、FANG+の投資効率が明確に劣るとは言えない結果となっています。

今回の分析を踏まえた私の考えは

「効率面で大差がないのであれば、最終的なリターンが大きい資産を選ぶ方が合理的」

です。

ドンヨーク

よって、命題である「リスクを考慮した上で、最も効率よくリターンを得られるのはどの指数なのか?」に対する私の結論は「FANG+」とします。

「リスクが高い=効率が悪い」という先入観は、少なくとも今回のデータからは支持されません。
むしろ「リスクを取った分だけそれに見合うリターンが得られている」というのが実態です。

もちろん、FANG+のような高リスク資産への投資はメンタル面での負荷も大きく、誰にでも向いているとは言えません。
しかし、自分のリスク許容度をしっかり理解したうえで、長期保有できる確信があるならば、FANG+は非常に魅力的な選択肢になり得ると思っています。

ドンヨーク

私は引き続き、貪欲にFANG+を積み上げていきます。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。また記事内の内容は過去データに基づく独自分析であり、将来のリターンを保証するものではありません。投資はご自身の判断と責任のもとで行ってください。

  1. 本記事の各指標の計算は、TradingViewのリターンデータをもとに算出しています。(参照:S&P500 / NASDAQ100 / FANG+↩︎
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